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千葉医学 82 (6) :299-335, 2006

総説
コンピテンス基盤型教育 Competency-based Education
 田川まさみ 田邊政裕(和文・PDF

原著
千葉県における多発性硬化症患者の臨床像
 森 雅裕 桑原 聡 早川 省 金坂俊秀 服部孝道(和文・PDF

症例
後側方固定術後短期に隣接椎間に発症した腰椎椎間板ヘルニアの1例
 佐久間詳浩 大鳥精司 古志貴和 井上 玄 伊藤俊紀 守屋秀繁 高橋和久(英文・PDF/HTML

海外だより
NIHでの留学体験記
 笠松厚志 (和文・PDF

学会
第1124回千葉医学会例会・第5回呼吸器内科例会(第19回呼吸器内科同門会)(和文・PDF
第1126回千葉医学会例会・第39回麻酔科例会・第67回千葉麻酔懇話会(和文・PDF
第6回千葉緩和医療研究会(和文・PDF

編集後記(和文・PDF
82巻総目次・索引

 
   
  コンピテンス基盤型教育 Competency-based Education
 田川まさみ 田邊政裕  千葉大学医学部医学教育研究室,千葉大学医学部附属病院総合医療教育研修センター


 コンピテンスとは専門職業人が,知識,技術を統合してある状況において専門職業人として業務を行う能力であり,倫理感や態度も求められる。PBLやOSCE導入の背景となっているコンピテンス基盤型教育は,教育プログラムの到達目標として一人前の医師に求められる能力であるコンピテンスを設定し,コンピテンス修得のための実践を伴う教育と,コンピテンス修得の程度を学習評価として行うものである。海外では医学部教育,研修医教育にこのコンピテンス基盤型教育が積極的に導入推進される動きがあることを概説する。
 
   
  千葉県における多発性硬化症患者の臨床像
 森 雅裕 桑原 聡 早川 省 金坂俊秀 服部孝道  千葉大学大学院医学研究院神経内科学


 千葉大学神経内科で現在診療しており充分な臨床情報が得られている45名の多発性硬化症患者においてその臨床的特徴,経過,治療,予後を明らかにし,既報告と比較した。45症例の平均発症年齢は26歳で男女比は1 : 4,84%が再発寛解型で,平均EDSSは4.1であった。初発症状で多いのは感覚障害,視力低下,運動麻痺で,経過中にみられる症候で多いのは順に腱反射亢進,視力低下,レベルのある感覚障害であった。本邦では多発性硬化症を,視神経と脊髄に異常が限局する視神経脊髄型と,大脳・脳幹・小脳などにも異常をきたす通常型の2型に分類することが一般的となっているが,45名中,臨床症状から視神経脊髄型と判断された症例は18%であり,臨床症状に加えMRI所見も含めて視神経脊髄型と判断された症例は4%のみであった。臨床症状から判断された視神経脊髄型と通常型を比較すると,視神経脊髄型で有意にオリゴクローナルバンド陽性者が多く,Wingerchukらの提唱するNeuromyelitis opticaに該当する者が多かったが,性差,重症度,髄液蛋白,細胞数に有意差はみられず,臨床症状から判断された視神経脊髄型では女性が多く,重症度が高く,髄液蛋白が高く,髄液細胞数が多いとする既報告とはやや異なる結果であった。これらの結果の相違は地域差やデータの集計年度の差を反映している可能性が考えられた。さらに病型分類にMRIを導入すると結果が異なることが明らかになった。

 
   
  後側方固定術後短期に隣接椎間に発症した腰椎椎間板ヘルニアの1例
 佐久間詳浩 大鳥精司 古志貴和 井上 玄 伊藤俊紀 守屋秀繁 高橋和久 千葉大学大学院医学研究院整形外科学


 腰部脊柱管狭窄症に対し固定術後,4ヶ月で隣接椎間に発症した巨大椎間板ヘルニアの1例を経験した。ぎっくり腰を契機に,右下肢痛と軽度麻痺が出現した。固定術隣接椎間の椎間板ヘルニアと診断するも,3ヶ月の保存療法で軽快しなかったため,ヘルニア摘出術を行った。初回手術の癒着のため,ヘルニアは椎間板線維輪を穿破するものの,後縦靭帯とL4椎体の間に存在していた。我々が渉猟し得た限り,短期間に固定術隣接椎間に発症した椎間板ヘルニアの報告例はなく,また,初回手術癒着のため本来吸収されるべきヘルニアの治癒機転が働かなかったと考えられた。

 
   
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