|
千葉医学雑誌一覧 |
|
|
千葉医学 83
(3) :73-121, 2007
■最終講義
医学の進歩・大学の貢献 ― パートT 食道・胃・大腸・乳腺甲状腺外科 ―
落合武徳 (和文・PDF)
■原著
原発性アルドステロン症における副腎部分切除術
堀米 亨 中田瑛浩 (英文・PDF/HTML)
■症例
慢性炎症性脱髄性多発神経炎を伴った圧迫性頚髄症に対し椎弓形成術を行った1例
遠藤友規 山崎正志 大河昭彦 染谷幸男 川辺純子 藤由崇之 門田 領 宮下智大 萬納寺誓人 古矢丈雄 三澤園子 守屋秀繁(和文・PDF)
■海外だより
NIH留学記
八尋錦之助(和文・PDF)
ベルリン留学記
木村文夫(和文・PDF)
■学会
第1133回千葉医学会例会・整形外科例会(和文・PDF)
第1136回千葉医学会例会・第29回千葉大学循環病態医科学・循環器内科懇話会(和文・PDF)
■編集後記(和文・PDF)
|
|
|
|
|
|
●原発性アルドステロン症における副腎部分切除術
堀米 亨,中田瑛浩1) 山形大学医学部泌尿器科学教室,1)四街道徳洲会病院(現勤務)
片側副腎に生じた単発性アルドステロン分泌腺腫に片側副腎切除術あるいは腺腫のみを切除する片側副腎部分切除を施行した。5年間の臨床データをフォローアップし,腺腫の再発の有無,間脳−下垂体−副腎系,尿の濃縮力障害は2群間で有意差なく改善した。鉱質および糖質ステロイド系の機能は副腎部分切除群で高レベルに保持されていた。アルドステロン分泌腺腫に隣接する副腎皮質組織のアルドステロン濃度は極めて低値であったが,コルチゾーン濃度にはそのような現象は見られなかった。
これらの所見よりアルドステロン分泌腺腫の手術に対して,副腎部分切除は副腎全的除術より優れていることが推測された。この術式による腺腫再発の可能性は低いことも判明した。 |
|
|
|
|
|
●慢性炎症性脱髄性多発神経炎を伴った圧迫性頚髄症に対し椎弓形成術を行った1例
遠藤友規 山崎正志 大河昭彦 染谷幸男 川辺純子 藤由崇之 門田 領 宮下智大 萬納寺誓人 古矢丈雄 三澤園子1) 守屋秀繁 千葉大学大学院医学研究院整形外科学,1)神経内科学
慢性進行性脱髄性多発神経炎(CIDP)を伴った圧迫性頚髄症例に対して後方除圧術を行った経験を報告する。症例は54歳(手術時年齢)女性。50歳頃,両上下肢に運動・感覚障害が出現し,52歳時にCIDPと診断された。薬物治療により一時的な症状寛解が得られていたが,54歳時,転倒を契機に歩行障害,両手巧緻運動障害が増悪した。画像所見でC4/5,C5/6高位に椎間板後方突出による脊髄圧迫を認めた。下肢腱反射の亢進,頚椎カラー固定による症状改善等と総合して,脊髄圧迫病変が症状増悪の主因と判断した。椎弓形成術を行い,術直後から神経症状の改善が得られた。神経疾患を伴った圧迫性脊髄障害に対する手術適応の決定は一般に困難とされる。しかし,両疾患の病状把握を正確に行い,除圧術によって症状の改善が期待できる場合は,インフォームド・コンセントを得たうえで手術を選択してよいと考える。
|
|
|
お問い合わせ e-mail
: info@c-med.org |
|