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千葉医学雑誌

千葉医学雑誌一覧
 
千葉医学 84 (4) :165-219, 2008

第84回千葉医学会学術大会(第45回日医生涯教育講座)(和文・PDF
特別講演 教えられたこと,伝えたいこと (和文・PDF
 多田富雄(東京大学名誉教授)
招待講演 免疫システム,その統御による免疫治療の開発研究(和文・PDF
 中山俊憲(千葉大学大学院医学研究院 免疫発生学 教授)
 
最終講義
脂質代謝異常症を考える −基礎と臨床をつなぐ−
 齋藤 康(和文・PDF

総説
この国は“子ども”に優しいか
 吉田英生 (和文・PDF)

原著
口腔扁平上皮癌におけるHeadpin遺伝子(セリン・プロテアーゼ・インヒビター: serpinファミリー)の発現減弱と過メチル化
 河崎謙士 鵜澤一弘 倉澤良典 吉田成秀 嶋田 健 上杉尚子
 村野彰行 林 幸雄 山木 誠 森谷哲浩 椎葉正史 丹沢秀樹(英文・PDF/HTML)
児童のアレルギー症状及び血清中TARC濃度の経年変化について
 平野好絵 島 正之 羽田 明 栗山喬之(英文・PDF/HTML

話題
野田公俊教授 文部科学省科学技術賞(理解増進部門)受賞
 白澤 浩 (和文・PDF)  

学会
第1152回千葉医学会例会・第28回歯科口腔外科例会 (和文・PDF)
第1159回千葉医学会例会・第30回千葉大学循環病態医科学・循環器内科懇話会)(和文・PDF)
第1167回千葉医学会例会・第25回千葉精神科集談会 (和文・PDF)

編集後記 (和文・PDF)

 
   
  口腔扁平上皮癌におけるHeadpin遺伝子(セリン・プロテアーゼ・インヒビター: serpinファミリー)の発現減弱と過メチル化
河崎謙士 鵜澤一弘 倉澤良典 吉田成秀 嶋田 健 上杉尚子
 村野彰行 林 幸雄 山木 誠 森谷哲浩 椎葉正史 丹沢秀樹
千葉大学大学院医学研究院臨床分子生物学講座 


 Headpinは染色体18q21.3上に位置するセリン・プロテアーゼ・インヒビター(serpin)ファミリーの一遺伝子である。この遺伝子ファミリーは腫瘍における血管新生,浸潤,転移の抑制を行うとされている。本研究では30の口腔扁平上皮癌臨床組織検体と9種の口腔癌由来細胞株におけるheadpinの発現について調べた。さらに脱メチル化剤5-AzaC処理による発現減弱の回復について検討した。RT-PCR解析では30の臨床組織検体のうち17検体(56.7%),9種の細胞株のうち5種(55.6%); SAS,HSC-3,OK92,HO-1-N-1,SCC4でheadpinの発現減弱が認められた。さらに,発現減弱がみられたこれら5種細胞株において4種(80.0%); SAS,HSC-3,OK92,SCC4で脱メチル化剤5-AzaC処理によって発現の回復が確認された。これらの結果はheadpinの発現減弱が口腔扁平上皮癌の進展に関与しており,その機序において過メチル化が関与していることを示唆するものである。
(無断転載を禁ず:千葉医学会)
 
   
  児童のアレルギー症状及び血清中TARC濃度の経年変化について
平野好絵1,3) 島 正之2) 羽田 明1) 栗山喬之3)  
1) 千葉大学大学院医学研究院公衆衛生学
2) 兵庫医科大学公衆衛生学
3) 千葉大学大学院医学研究院加齢病態制御学


 【目的】Thymus and activation-regulated chemokine (TARC)はアレルギー疾患に関与するTh2関連ケモカインの一つである。学童期におけるアレルギー症状と血清TARC濃度の成長に伴う変化を調査し,Th2関連因子がどのようにアレルギー症状に関連しているかを検討した。  【方法】日本の地方都市に在住する学童146人を対象として,小学校1年生時と5年生時の2回,呼吸器及びアレルギー症状に関する質問紙調査と共に,採血を行って血清総IgE,ダニ特異IgE及びTARCの血清中濃度を測定した。  【結果】対象児童全体において血清TARC濃度は1年時(489.2pg/ml)に比べ,5年時(424.1pg/ml)には,有意に低下していた。いずれの学年でもアレルギー症状がなかった児童では血清TARC濃度は1年時(521.4pg/ml)に比べ,5年時(410.7pg/ml)で有意に低下していたが,いずれかの学年または両学年でアレルギー症状があった児童では血清TARC濃度の低下が見られなかった。総IgE値及び,ダニ特異IgE値によっても血清TARC濃度の低下の差が認められたが,これらに加えアレルギー症状の有無が更に血清TARC濃度低下に影響していた。  【結論】小児の血清TARC濃度は成長に伴い低下することから,Th2細胞の活性は年齢と共に低下する可能性が示唆された。アレルギー症状の無い児童ではTARC濃度の低下が有意であったのに対し,アレルギー症状のある児童では有意な低下は見られず,TARCがアレルギー症状の発現に関与しているものと考えられた。
(無断転載を禁ず:千葉医学会)
 
   
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