千葉医学会 The Chiba Medical Society
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千葉医学雑誌


千葉医学雑誌一覧
  千葉医学 85 (1) :1-51, 2009 
原著
自発的ドック受診者群と企業健診受診者群の脳MRIにおけるT2高信号域個数の比較
 伊藤憲佐(英文・PDF/HTML)
音声認識を用いた構造化レポーティングシステム
 横井英人(英文・PDF/HTML)
症例
臀裂近傍に生じた比較的稀な皮膚腫瘤の3例
 秋田新介 黒木知明 佐藤真嘉 嶋 謙一郎 宇田川晃一 吉本信也(和文・PDF
話題
千葉大学および国立台湾大学公共衛生学院におけるサステイナブル環境健康科学集中講義の開催報告
 中岡宏子 戸恵美子 羽田 明 森 千里 松野義晴(和文・PDF)

学会
第1163回千葉医学会例会・第7回千葉大学大学院医学研究院胸部外科学教室例会(和文・PDF
第1166回千葉医学会例会・第18回千葉泌尿器科同門会学術集会(和文・PDF
第1169回千葉医学会例会・第41回麻酔科例会・第69回千葉麻酔懇話会(和文・PDF
第7回千葉緩和医療研究会(和文・PDF
雑報
癌臨床試験のデザインと倫理−第V相試験
 関根郁夫 石塚直樹 田村友秀(和文・PDF
編集後記 (和文・PDF

 
   
  自発的ドック受診者群と企業健診受診者群の脳MRIにおけるT2高信号域個数の比較
 伊藤憲佐
 医療法人鉄蕉会亀田総合病院 放射線科


 【目的】自発的に脳ドックを受診した群と,企業健診にて受診した群を対象に,脳MRIにおけるT2高信号域の個数を比較した。
 【方法】無症状健康成人で,当院クリニックのMRI脳ドックを受診した814人(年齢49〜65歳,平均55.2±3.8SD)群を,自発的に受診した群312人(Group A: 年齢49〜65歳,平均56.5±4.6SD)と,企業健診にて受診した群502人(Group B: 年齢49〜65歳,平均54.3±2.9SD)に分けて,調査した。
 それぞれに既往疾患・現疾患をインタビューシートに記載してもらい,MRIにてT2高信号を示す領域(T2ES: T2 elongated spot)の個数を算定した。年齢と算定個数から重症度を5段階(G0〜5)に分類して判定し,両群間で比較検討した。
 【結果】企業健診受診群は,年齢から49を引いた予測数よりもT2ESの数が10から14個多いGrade (G4)で,有意に多い差が認められた(13.5% vs 20.0%; P<0.05)。両群の危険因子は,糖尿病(15.0% vs 9.6%; P<0.05),高脂血症(18.0% vs 9.0%; P<0.01)が自発受診群で多く,脳MRI所見に影響を及ぼすと考えられる,不整脈,悪性腫瘍・脳血管障害の既往(5.8% vs 6.2%; NS)に差は認められなかった。
 【結論】自発的脳ドック受診群と企業健診群のT2ESの個数を,年齢を考慮したGrading Systemを作成し,比較した。企業健診群は年齢から49を引いた予測数よりもT2ESが10から14個多いGradeで,自発的受診群よりも個数が有意に多かった。
 今回作成したGrading Systemは上記の差を検知することが出来,この研究の範囲内では有用であったと考えられる。糖尿病・高脂血症は,自発的受診群の方が多く,これらは良好にコントロールされていたと考えられる。自発的受診群は自己の健康に対する意識が,企業健診群よりも高いと推察された。

 
   
  音声認識を用いた構造化レポーティングシステム
 横井英人
 香川大学医学部附属病院医療情報部


 【背景】構造化レポーティングとは,自由文と違い,情報の再利用性に優れている。近年,音声認識システムが普及しているが,認識結果はフリーテキスト(自由文)であり,二次利用には適さない。
 【目的】音声認識システムにより入力された文を,構造化された用語集に適合しているかを判断し,もし適合している場合,その構造に従ってデータベースに適切に保存し,適合していない場合,修正要求を発するシステムを開発する。
 【方法】システムはPC上で動作するように設計し,消化器内視鏡所見用の用語集であるMinimal Standard Terminology Ver. 2日本語版を構造化用語集として採用した。実験として,千葉大学で行われた消化器内視鏡所見について,音声認識を用いた構造化レポーティングシステム(SRSR)と手書き入力の二手段で記録し,比較をした。
 【結果】平均入力時間はSRSRの方が手書きより40%短かった。168語中,6語が誤認識されたが,2回目の認識で4語が,3回目の認識で2語が正しく認識された。
 【結論】SRSRのデータ入力時間は,構造化用語集で入力できない付随情報をフリーテキストで入力した時間を含めても,手書き入力よりも短かった。本システムは,内視鏡施行中にハンズフリーで音声入力をすることに用いれば,更なる業務の効率化が期待される。
 
   
  臀裂近傍に生じた比較的稀な皮膚腫瘤の3例
 秋田新介1) 黒木知明1) 佐藤真嘉1) 嶋 謙一郎1) 宇田川晃一2) 吉本信也2)
 1) 成田赤十字病院形成外科 2) 千葉大学大学院医学研究院形成外科学


 臀裂の近傍に発生した表在性皮膚腫瘤の3例を経験した。それぞれは異なる病理組織像を持ち,病理組織診断は表皮母斑,黄色腫,皮膚石灰沈着症であった。これら3例はいずれも臀部腫瘤として遭遇することは比較的稀であるが,術前に鑑別診断として挙げるべき疾患として報告する。
 
   
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