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千葉医学雑誌

千葉医学雑誌一覧
 
千葉医学 88 (5) :201-252,2012

症例
粘膜下腫瘍様の発育形式を呈した胃癌の1例
 高橋雅史 二村好憲 当間智子 佐久間洋一 高石 聡 小松悌介 山本義一(和文・PDF
急速な経過を辿ったPure Erythroid Leukemia
 石塚保弘 小澤真一 深澤元晴(和文・PDF
話題
医学用語語源対話
 杉田克生 池田黎太郎(和文・PDF
第四回千葉医学会 奨励賞
免疫系におけるエピジェネティック機構の解明と応用
 小野寺 淳(和文・PDF
進行肝細胞癌における全身化学療法の研究
 −臨床試験の導入および幹細胞をターゲットとする治療法の開発−
 鈴木英一郎(和文・PDF
ラット坐骨神経圧挫モデルの疼痛行動と脊髄グリア活性に対する抗p75受容体(神経栄養因子受容体)抗体投与の効果
 和泉允基(和文・PDF
学会
第1240回千葉医学会例会・平成23年度細胞治療内科学例会(和文・PDF)
第1241回千葉医学会例会・第26回千葉泌尿器科同門会学術集会(和文・PDF)
第1245回千葉医学会例会・第29回千葉精神科集談会(和文・PDF)
研究報告書平成23年度猪之鼻奨学会研究補助金による研究報告書(和文・PDF)
OAP要旨
外傷を契機に発見された硬膜内髄外腫瘍の1例
 古矢丈雄 常泉吉一 池田 修 大河昭彦 国司俊一 葛城 穣 大田光俊
 高橋和久 山崎正志 大井利夫(和文・PDF
編集後記(和文・PDF
 
   
  粘膜下腫瘍様の発育形式を呈した胃癌の1例
高橋雅史 二村好憲 当間智子 佐久間洋一 高石 聡 小松悌介1) 山本義一
医療法人社団誠馨会千葉メディカルセンター外科
1)千葉大学大学院医学研究院腫瘍病理学

 症例は66歳男性。固形物のつかえ感を主訴に当科を受診。上部消化管造影検査および上部消化管内視鏡検査では噴門部に一部陥凹のある正常粘膜で覆われた粘膜下腫瘍様病変を認め,生検結果は正常胃粘膜であった。腹部CTでは噴門部胃壁外へ発育した60o程の腫瘍を認め,左胃動脈を巻き込んでおり,#3リンパ節腫脹も認めた。以上より胃癌を疑い,手術適応となった。胃全摘術(D2郭清)およびRoux-en-Y法による再建術を施行した。病理組織学的に腫瘍は充実性胞巣を成し,わずかに腺腔を形成して粘膜下層以深に主座が存在していた。細胞異型は高度で多形性を示し,免疫組織染色結果から腺癌および扁平上皮癌への分化がみられた。まれな発育形態を示し,病理診断にも苦慮した胃癌症例を経験したので報告する。
 
   
  急速な経過を辿ったPure Erythroid Leukemia
石塚保弘 小澤真一 深澤元晴
社会保険船橋中央病院内科


 症例は60歳男性。発熱を主訴に近医を受診し,汎血球減少を認められ当院へ紹介入院となった。入院時WBC 2,600/μl,Myeloblast 4 %,Hb 5.2 g/dl,Plt 1.8×104/μl,LDH 10,026 IU/l。骨髄検査では骨髄芽球4.3%,異形成の強い赤芽球85.2%で,白血病細胞の表面マーカーはGP-Aが陽性であったが,その他の骨髄系,リンパ系のマーカーは全て陰性であった。WHO分類におけるpure erythroid leukemiaと診断し,シタラビンとアントラサイクリン系薬剤による化学療法を行ったが,第44病日に多臓器不全のため死亡した。pure erythroid leukemiaは通常のAMLの治療効果が低く,異なる治療上のアプローチが必要と考えられた。
 
   
  〔第四回千葉医学会 奨励賞〕
免疫系におけるエピジェネティック機構の解明と応用
小野寺 淳
千葉大学大学院医学研究院免疫発生学


 免疫系はそれ独自の機構のみならず,他のシステムと共通する細胞記憶の機構によっても制御されていることが明らかになりつつある。生体における細胞記憶は,ヒストン修飾やDNAメチル化などのエピジェネティックな制御機構が深く関わっている。我々はエピジェネティックな制御因子であるポリコームやトライソラックス複合体に着目し,Th2細胞をモデルとした研究を行って来た。最近の研究で,トライソラックス複合体に含まれるMeninを欠損した場合,Th2細胞としての機能が維持できなくなることを見出した。また,最新のエピジェネティック研究の手法であるChIP-Seq法を用いて,Th2細胞分化のマスター転写因子GATA3の標的遺伝子の網羅的解析に成功した。本稿では,これらの基礎研究がどのような形で役立つのかについても議論を深めたい。
 
   
  〔第四回千葉医学会 奨励賞〕
ラット坐骨神経圧挫モデルの疼痛行動と脊髄グリア活性に対する抗p75受容体(神経栄養因子受容体)抗体投与の効果
和泉允基
千葉大学医学部6年


 近年,神経障害性疼痛の一因として脊髄でのグリア活性の関与が示唆されている。また,障害部位で産生される神経成長因子(NGF)が疼痛を惹起するといわれており,NGF阻害剤はすでに臨床試験が行われているが,副作用の報告もある。本研究ではラット坐骨神経圧挫モデルに対してNFGの低親和性受容体であるP75受容体抗体を投与し,疼痛行動や脊髄でのグリア細胞活性の変化,有害事象を検討した。
 
   
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