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千葉医学雑誌一覧 |
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千葉医学 90
(6) : 205〜260, 2014
■原著
散剤調剤における乳糖賦形量の減量とその評価
築地茉莉子 増田和司 鈴木貴明 有吉範高 石井伊都子(和文・PDF)
■症例
診断困難であった乳房内リンパ節転移を認めた乳癌の1例
會田直弘 木村正幸 石岡茂樹 竹下修由 佐塚哲太郎 浅井 陽 田ア健太郎
菅本祐司 福長 徹 宮澤幸正 松原久裕(和文・PDF)
■エッセイ
論文について
野光司(和文・PDF)
■海外だより
メイヨークリニック留学記
岡本聖司(和文・PDF)
サンディエゴ留学記
村松佑太(和文・PDF)
■学会
第1262回千葉医学会例会・平成26年度第13回千葉大学大学院医学研究院呼吸器病態外科学教室例会(和文・PDF)
第1275回千葉医学会例会・第34回歯科口腔外科例会(和文・PDF)
第1284回千葉医学会例会・第37回千葉大学大学院小児外科学講座例会(和文・PDF)
■雑報
英語論文を読むことと書くこと
関根郁夫(和文・PDF)
■OAP要旨
第六回千葉医学会賞:肝細胞癌における癌幹細胞の検出,特性解析,および癌幹細胞を標的とした治療法の創出
千葉哲博(和文・PDF)
■編集後記(和文・PDF)
■第七回(2015年度)千葉医学会賞および奨励賞候補者の公募について
■第8回 ちばBasic & Clinical Research Conference開催のお知らせ
■90巻総目次・索引
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●散剤調剤における乳糖賦形量の減量とその評価
築地茉莉子 増田和司 鈴木貴明 有吉範高 石井伊都子
千葉大学医学部附属病院薬剤部
千葉大学医学部附属病院薬剤部では従来,秤量する散剤の1包あたりの分包重量が0.3gを下回る場合に,散剤調製上の取扱いをしやすくするためにそれ自身薬理作用を有しない散剤(賦形剤)として乳糖を加え,1包量が0.3gになるように調剤することを内規としてきた。しかし,散剤を必要とする小児にとって散剤重量0.3gはしばしば飲み込みが困難な量である。また小児および成人ともに,多剤を同時に経管投与する場合には1回の投与量が多過ぎることによるチューブの閉塞を引き起こす場合がある。一方,近年における散剤分包器ならびに周辺機器の開発進展により,分包後の散剤重量のばらつきは減少していることが予測される。そこで調剤した散剤の分包重量および回収重量のばらつきを許容範囲内に維持しながら乳糖賦形量を減らすことが可能か,複数種類の薬剤を用いて検討した。その結果,1包量が0.2gあるいは0.3gになるように賦形した場合において,分包による薬剤の紛失を含む分包重量のばらつきや,分包紙から取り出す際の薬剤の損失はすべて許容範囲内であり,1包あたりの散剤重量を0.2gとしても現在の調剤方法と変わらない品質で患者に薬剤提供できることが示された。また賦形する散剤の1包量を0.3gから0.2gに変更することによって,散剤調剤時に賦形剤を加える作業を約1割削減することができることが明らかとなった。
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●診断困難であった乳房内リンパ節転移を認めた乳癌の1例
會田直弘1,2) 木村正幸1) 石岡茂樹1) 竹下修由1) 佐塚哲太郎1) 浅井 陽1) 田ア健太郎1)
菅本祐司1) 福長 徹1) 宮澤幸正2) 松原久裕2)
1) 沼津市立病院外科・小児外科
2) 千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学
症例は44歳女性。10か月前より右乳房に腫瘤を自覚し,増大するため当科を受診した。触診では右C領域にいずれも弾性硬の2腫瘤を触知した。乳腺超音波検査にて右乳房C領域に2ヶ所の不整低エコー域を認め,多発乳癌を疑った。大きい方の腫瘤に針生検を施行し,浸潤性乳癌と診断した。多発病変であること,3pを超える腫瘍径から乳房切除とセンチネルリンパ節生検(SN)を施行した。SNは99m-TcによるRI法とインジゴカルミンによる色素法の併用で施行した。腋窩ではRIもしくは色素陽性のリンパ節2か所(腋窩センチネルリンパ節)とその周囲にいずれも陰性のリンパ節(腋窩非センチネルリンパ節)を数個認めすべて摘出した。腋窩センチネルリンパ節は陰性と診断された。病理組織学的検査では乳房内の2腫瘤は共に乳頭管状腺癌の形態を呈していたが,一方の腫瘤は同一被膜内に正常リンパ組織を認め,乳房内リンパ節転移と診断した。また,サンプリングした腋窩非センチネルリンパ節のうち1か所に転移を認めた。乳房内リンパ節転移は術前診断が困難とされ,術後に標本内で同定されることも少なくない。文献的には予後不良因子とされる。乳房内リンパ節転移は,腋窩センチネルリンパ節に転移を認めなくても腋窩非センチネルリンパ節へ転移をきたす可能性があり,乳癌の病状評価に重要な因子であることが示唆された。
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