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千葉医学 92 (2) : 39〜73, 2016

症例
Upside down stomachを呈した巨大食道裂孔ヘルニアに対し腹腔鏡下修復術を施行した1例
 飯野高之 大城崇司 石多猛志 石井雅之 大石英人 新井田達雄(和文・PDF
粘液性嚢胞腫瘍との鑑別が困難であった非機能性膵神経内分泌腫瘍の1例
 天海博之 神宮和彦 北林宏之 栃木 透 植松武史(和文・PDF
話題
「グローバルヘルス」への千葉大学の取り組み
 −日独共同集中講義(ベルリン)・国際機関研修(ジュネーブ)に参加して−

 庄司竜麻 中岡宏子 戸恵美子 柏原 誠 志賀里美 川波亜希子 古賀千絵 森 千里(和文・PDF
病院紹介
独立行政法人国立病院機構千葉医療センター
 増田政久(和文・PDF
学会
第1317回千葉医学会例会・臓器制御外科学教室談話会(和文・PDF
OAP要旨
振動刺激は表在性の痛みを減弱する〜実験的研究
 鈴木崇根 國吉一樹 松浦佑介 安部 玲 木内 均 上野啓介 赤坂朋代
 金塚 彩 岩瀬真希 廣澤直也 高橋 仁 柿崎 潤 国司俊一 村上賢一
 助川浩士 岩倉菜穂子 高橋和久(和文・PDF
敗血症におけるプログラム細胞死 −敵か味方か−
 渡邉栄三 大網毅彦 砂原 聡 木村友則 高橋和香 幡野雅彦 織田成人(和文・PDF
編集後記(和文・PDF

 
   
  Upside down stomachを呈した巨大食道裂孔ヘルニアに対し腹腔鏡下修復術を施行した1例
飯野高之1) 大城崇司1) 石多猛志1) 石井雅之1) 大石英人2) 新井田達雄1)
1)東京女子医科大学八千代医療センター消化器外科
2)東邦大学医療センター佐倉病院外科


 症例は86歳女性。食思不振,繰り返す嘔吐を主訴に近医受診し,腹部単純レントゲン写真にて縦隔内に異常ガスを指摘され当科紹介となった。上部消化管内視鏡を用いて整復後も症状の改善を一向に認めず,精査加療目的に入院。胸腹部造影CTにおいて左右の横隔膜脚が拡がった形の巨大な食道裂孔ヘルニア内に全胃,一部大網の縦隔内脱出を認めた。胃は臓器軸性に捻転を呈しており,手術適応と判断し,修復術を行った。縦隔内ヘルニア嚢の癒着は高度であり,胃,大網,小腸が幾重にも重なっており,剥離に難渋した。脱出臓器還納後,左右の横隔膜脚の縫縮を行った。介在する横隔膜脚は脆弱であり,トリミングしたVentralight ST®で補強後,穹窿部の固定を行い,手術を終了とした。術後経過は良好で,現在のところ再発は認めていない。今回我々は巨大な食道裂孔ヘルニアに対する腹腔鏡下修復術を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。  
 
   
  粘液性嚢胞腫瘍との鑑別が困難であった非機能性膵神経内分泌腫瘍の1例
天海博之 神宮和彦 北林宏之 栃木 透 植松武史
埼玉県厚生連久喜総合病院外科

 
 症例は70歳女性で,CTで膵嚢胞性病変を指摘され当科紹介となった。超音波検査,CT,MRCPで膵体部に壁在結節を伴う径5pの単房性の嚢胞性腫瘍を認め,主膵管に拡張なく嚢胞との交通も認めなかった。粘液性嚢胞腫瘍の診断で癌も念頭におきリンパ節郭清を伴う膵体尾部脾合併切除術を施行した。切除標本では膵体部に厚い被膜で覆われた壁の一部に腫瘤を伴う50o大の単房性嚢胞を認めた。腫瘤は病理組織学的にsolid〜trabecular patternの上皮性腫瘍よりなり,免疫組織化学検査でchromograninA陽性,synaptophysin陽性,MIB1 indexは5〜20%であり,最終的に非機能性膵神経内分泌腫瘍G2と診断された。本症例のように嚢胞形態を示す膵神経内分泌腫瘍は比較的稀で,通常腫瘍が出血や壊死をきたし嚢胞状となるとされているが,本症例の経過から嚢胞壁より発生する膵神経内分泌腫瘍があるのではないかと推測された。
   

       
   
  「グローバルヘルス」への千葉大学の取り組み
 −日独共同集中講義(ベルリン)・国際機関研修(ジュネーブ)に参加して−
庄司竜麻1) 中岡宏子2)  戸恵美子2)  柏原 誠3)
志賀里美2)  川波亜希子2)  古賀千絵2)  森 千里2,4)
1) 千葉大学大学院薬学研究院微生物薬品化学
2) 千葉大学予防医学センター
3) シャリテ−ベルリン医科大学千葉大学ベルリンオフィス
4) 千葉大学大学院医学研究院環境生命医学

 
 近年,グローバルヘルス(国際保健)への関心が高まり,多国間の連携や多分野の協働による研究アプローチの重要性が増してきた。このような背景のもと,予防医学センターでは千葉大学・金沢大学・長崎大学による先進予防医学共同大学院の設置事業および千葉大学スーパーグローバルプロジェクトによる千葉大学ベルリンサテライトキャンパス構想に向けての取り組みを行っているが,これらの準備の一環として欧州諸国にある大学,研究機関との国際連携を進めている。2015年8月から9月にはドイツ・ベルリンにてシャリテ−ベルリン医科大学との日独共同集中講義を,スイス・ジュネーブにてWHOを始めとした国際機関研修を開催した。集中講義には千葉大学およびシャリテ医科大学を中心として様々な分野から学生が参加し,グローバルヘルスをテーマとした講義と学生らによるディスカッション・発表が行われた。国際機関研修では現在各国際機関が取り組んでいる課題の紹介等が行われた。予防医学センターは今後も日独共同集中講義等の開催を通し,共同大学院事業およびベルリンサテライトキャンパス構想の進展に取り組む。  
   

 
   
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