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 千葉医学雑誌一覧 |
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千葉医学 92
(4) :129-174, 2016
■最終講義
頭蓋顔面骨外科に挑んだ30年 －顔面形態異常に心を病む小児から成人まで－
佐藤兼重(和文・PDF)
■症例
腹腔鏡補助下手術にて根治が得られた魚骨穿通による
直腸S状部膀胱瘻の1例
菅本祐司 丸山哲郎 花井 禎 清水勇樹 木村正幸 福長 徹 田崎健太郎
豊住武司 武藤靖英 川島弘之 前岡瑛里 大森一彦 藤本 肇 窪田吉紘
江口正信 松原久裕(和文・PDF)
腹腔鏡下手術の手縫い吻合部に局所再発をきたしたS状結腸癌の1例
佐藤嘉治 小笠原 猛 志田 崇 野村 悟 小松悌介 高橋 誠(和文・PDF)
■書評＋
ハリソン内科学とセシル内科学を読んでみたら
関根郁夫(和文・PDF)
■海外だより
フロリダ大学留学記
松木圭介(和文・PDF)
■学会
第1324回千葉医学会例会・第15回呼吸器内科例会
（第29回呼吸器内科同門会）(和文･PDF)
第1333回千葉医学会例会・第33回千葉精神科集談会(和文･PDF)
■OAP要旨
ラット股関節nerve growth factor投与モデルにおける炎症性サイトカイン及び疼痛行動評価
大前隆則 中村順一 大鳥精司 折田純久 鈴木崇根 鈴木 都 宮本周一
萩原茂生 中嶋隆行 高澤 誠 重村知徳 輪湖 靖 三浦道明 瓦井裕也
菅野真彦 縄田健斗 高橋和久(和文･PDF)
■編集後記(和文･PDF)
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●腹腔鏡補助下手術にて根治が得られた魚骨穿通による
直腸S状部膀胱瘻の1例
菅本祐司1) 丸山哲郎1) 花井 禎2) 清水勇樹 木村正幸1) 福長 徹1) 田崎健太郎1)
豊住武司1) 武藤靖英1) 川島弘之1) 前岡瑛里1) 大森一彦1) 藤本 肇3) 窪田吉紘3)
江口正信4) 松原久裕5)
1) 沼津市立病院外科
2) 沼津市立病院泌尿器科
3) 沼津市立病院放射線科
4) 沼津市立病院臨床検査科
5) 千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学
症例は72歳男性。保存的治療後に再燃した直腸S状部膀胱瘻の診断で紹介入院した。症状は糞便尿，気尿であった。初回入院時検査では憩室炎による腸管膀胱瘻と考え，患者の希望通りに保存的治療にて軽快退院した。再び発症したための第二回入院時のCT検査にて線状の高輝度の異物を腸管膀胱間に認め，魚骨による腸管膀胱瘻と診断した。CT画像および膀胱鏡検査より同部周囲の炎症が強いと判断し，リスク回避の観点から二期的手術の方針とした。初めに腹腔鏡補助下回腸人工肛門造設術を施行し，その三ヶ月後に腹腔鏡補助下直腸低位前方切除術・膀胱部分切除術を施行した。切除標本の検索では腸管膀胱間に長径34㎜の魚骨を認めた。魚骨による腸管膀胱瘻は極めて稀であり，調べ得た範囲では自験例が本邦3例目であった。本症例では，正確な術前診断および腹腔鏡を用いた低侵襲手術がなしえたが，近年の診断や治療の進歩にMEの貢献は大きいと考えられた。
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●腹腔鏡下手術の手縫い吻合部に局所再発をきたしたS状結腸癌の1例
佐藤嘉治 小笠原 猛 志田 崇 野村 悟 小松悌介 高橋 誠
1)1) 独立行政法人地域医療機能推進機構船橋中央病院外科
2) 独立行政法人地域医療機能推進機構船橋中央病院小児外科
3) 独立行政法人地域医療機能推進機構船橋中央病院病理診断科
症例は56歳女性。便潜血反応陽性の精査でS状結腸癌を認め2011年10月に腹腔鏡下S状結腸切除を施行した。左巨大卵巣のう腫がありS状結腸も非常に長く手術操作に難渋したが腹腔鏡下に切除でき手縫い吻合にて再建した。病理所見はS， 2型，25×20㎜，tub1＞tub2，SS，ly0，v0，N0（0/18），PM0，DM0，RM0のstage Ⅱであった。
術後9ヵ月の大腸内視鏡検査で吻合部に一致して小隆起を認め生検結果は腺腫であった。術後1年2ヵ月の大腸内視鏡検査で小隆起が半周性の2型腫瘍に成長し吻合部再発であった。結腸癌手縫い吻合部の局所再発は少なく問題とされることは一般にない。吻合部再発は遊離癌細胞のimplantationにより起こるとされ，本症例では腹腔鏡下での鉗子操作や術中腸管洗浄をしなかったことが影響したと考えられる。予防策の確実な履行が重要であることが痛感させられた症例であった。また，吻合部に小隆起が出現した場合には再発を考慮して治療方針を決定することが重要と考えられた。
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