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千葉医学雑誌

千葉医学雑誌一覧
 
千葉医学 91 (6) : 259〜296, 2015

症例
術前診断しえた左傍十二指腸ヘルニアの1例
 和城光庸 宮崎 勝(和文・PDF
症例
近位手根列切除術後における橈骨手根関節の応力変化
〜 CT/有限要素解析による検討 〜

 芝山昌貴 松浦佑介 鈴木崇根 國吉一樹 高橋和久(和文・PDF
千葉医学会奨励賞
Th17細胞分化におけるSox5の役割
 田中 繁(和文・PDF
学会
第1294回千葉医学会例会・平成26年度細胞治療内科学例会(和文・PDF
第1298回千葉医学会例会・千葉大学大学院医学研究院消化器・腎臓内科学(旧第一内科)例会(和文・PDF
第1311回千葉医学会例会・第32回千葉泌尿器科同門会学術集会(和文・PDF
研究報告書
平成26年度猪之鼻奨学会研究補助金による研究報告書(和文・PDF

OAP要旨
第七回千葉医学会賞:急性脊髄損傷に対する顆粒球コロニー刺激因子を用いた神経保護療法: 基礎から臨床試験まで
 國府田正雄 古矢丈雄 稲田大悟 神谷光史郎 大田光俊 牧 聡 飯島 靖
斎藤淳哉 高橋和久 山崎正志(和文・PDF
編集後記(和文・PDF
第八回(2016年度)千葉医学会賞および奨励賞候補者の公募について
第9回 ちばBasic & Clinical Research Conference開催のお知らせ
91巻総目次・索引

 
   
  術前診断しえた左傍十二指腸ヘルニアの1例
和城光庸1) 宮崎 勝2)
1) 長野中央病院外科
2) 千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学


 症例は87歳女性。腹痛,嘔吐を主訴に当院受診。CT検査にて下行大動脈左側の左総腸骨動脈上縁付近から膵下縁に至る後腹膜腔に15p程度の回腸が脱出しており,内ヘルニアと考えられた。小腸造影にて,体位変換・圧迫などによって転位し難い,輸出入係蹄を伴う拡張した嵌入腸管を認めた。4年前に別疾患に対し施行したCTとの比較でも,脱出腸管は下腸間膜動脈背側を通過しており,左傍十二指腸ヘルニアと診断した。イレウス管による減圧治療行ったが軽快せず,開腹手術施行。精査にて回腸末端から約30pの回腸が,Treitz靭帯左側の径2.0pの間隙から約15pにわたり陥入していた。ヘルニア門に下腸間膜動脈の拍動を触れた。周囲組織との癒着により環納困難であったため,口側と肛門側の側側吻合を行った。術後経過は良好で,第14病日に退院。若干の文献的考察を加え報告する。    
 
   
  近位手根列切除術後における橈骨手根関節の応力変化
〜 CT/有限要素解析による検討 〜
芝山昌貴1) 松浦佑介1) 鈴木崇根2) 國吉一樹1)  高橋和久1)
1) 千葉大学大学院医学研究院整形外科学
2) 千葉大学大学院医学研究院環境生命医学

 
 【背景】近位手根列切除術(以下PRC)における応力変化を新鮮屍体で検討した報告は散見されるが,生体内で検討した報告はない。
 【目的】PRC術後症例の応力変化を有限要素モデル(以下FEM)を使用して評価すること。
 【方法】PRC術後患者の両側手関節を手関節掌屈位・背屈位でCT撮影しFEMを作成。各肢位での橈骨面に生じる応力を月状骨窩と舟状骨窩で測定した。
 【結果】PRC側の月状骨窩への応力は掌屈位で1.51MPa,背屈位で1.67MPa,舟状骨窩への応力は掌屈位で1.53MPa,背屈位で1.54MPaであった。月状骨窩と舟状骨窩の圧比率はPRC側で掌屈位49.7%と50.3%,背屈位で52.0%と48.0%であった。
 【考察】過去の新鮮屍体実験の結果と異なり,本研究では月状骨窩と舟状骨窩への応力はほぼ同等であった。この理由として,術後経過とともに関節症性変化が進行することで徐々に舟状骨窩へも力が伝達されるようになったため,新鮮凍結屍体での応力分布と異なる結果を示した可能性が示唆される。生体内での実際の応力分布を評価するうえで,FEMはその一助となりうるものと考えられた。
   

 
   
  第七回千葉医学会奨励賞:Th17細胞分化におけるSox5の役割
田中 繁
千葉大学医学部附属病院アレルギー・膠原病内科

 Th17細胞分化にIL-6を介したStat3のリン酸化が必須であるが,Stat3の下流分子がTh17細胞分化に関与するかについては明らかでない。我々はCD4陽性T細胞においてSox5がIL-6刺激によりStat3依存的に誘導されることを見出した。Sox5欠損マウスはTh17細胞分化が低下しており,実験的自己免疫性脳脊髄炎が軽症化した。Sox5自身は転写活性能を有しないが,c-Mafと結合することでTh17細胞のマスター転写因子であるRORγtのプロモータ活性を亢進させることを明らかにした。      
 
   
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